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あなたは、居酒屋で良く目にするチューハイとサワーの違いをご存知ですか。
同じ飲み物を、関西ではチューハイ・関東ではとサワーと呼ぶという噂を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
この記事ではチューハイとサワーの違いについてわかりやすく解説し、それぞれの厳密な定義や歴史についても紹介します。
そして、サワーとチューハイが混同されるようになった理由を解明していきます。
サワーとチューハイの違いを説明できれば、あなたはお酒の席で一目置かれる存在になれるかもしれませんね。
もくじ
チューハイとサワーの違いについて、自信を持って説明できる人は多くないでしょう。
この記事では、お酒を作る際の「ベース」に着目してチューハイとサワーの違いを紹介しています。早速、チューハイとサワーの違いを見ていきましょう。
私たちにとって身近な飲み物であるチューハイとサワー。
この2つの違いは、ベースとしている飲料にあります。
「チューハイ」は焼酎ハイボールの略で、その名の通り焼酎をベースとしたお酒のことを指します。
それに対し、「サワー」はジンやウォッカといったスピリッツと呼ばれる蒸留酒をベースとしたお酒のことを指します。
しかし、現在では提供する店舗によって呼び方はまちまちで、チューハイとサワーは混同されて使われているため、それほど違いにこだわる必要はないと言えます。
チューハイとは焼酎をベースとしたハイボールであると説明しました。
ここではハイボールの定義に着目した上で、焼酎ハイボールとは何かを説明し、より詳しくチューハイの特徴を見ていきます。
また、緑茶ハイのように割り材として炭酸を使わないチューハイに関しても紹介します。
チューハイとは「焼酎ハイボール」の略称で、焼酎を炭酸で割ったお酒のことを指し、レモンハイといったように「〇〇ハイ」といった名称で親しまれています。
「焼酎ハイボール」の「ハイボール」とはウイスキーを炭酸で割ったものを指します。
そのため「チューハイ」は「焼酎を炭酸で割ったもの」となります。
焼酎を炭酸で割ったものがチューハイと説明しましたが、それでは「緑茶ハイ」はチューハイと言えるのでしょうか。
結論としては、緑茶ハイもチューハイの1種であると言えます。
本来であれば、ハイボールはお酒を炭酸で割ったもののことを指しますが、現在では「緑茶ハイ」「ウーロンハイ」といったように割り材が炭酸水に限定されないケースも多く存在します。
このように、焼酎をノンアルコール飲料で割った飲み物が、広く「〇〇ハイ」と呼ばれています。
ここまで、チューハイの特徴を紹介しましたが、対するサワーにはどのような特徴があるのでしょうか。
サワーの語源や作り方などに着目し、特徴を見ていきましょう。
また、サワーのベースとなっているスピリッツ、すなわち「蒸留酒」の定義を紹介します。
サワーの語源は英語で「酸味のある」を意味する「sour」であるという説があります。
この名前の通り、サワーとは、スピリッツをレモンやグレープフルーツなど酸味のある柑橘系のジュースで割ったカクテルのことを指します。
スピリッツとは、醸造酒を蒸留したお酒、いわゆる蒸留酒のことで、代表的なものとしてジン・ウォッカ・ラム・テキーラなどが挙げられます。
私たちが普段口にする酒は、「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種に分類することができます。
醸造酒は、穀物や果実(ぶどうなど)に含まれる糖を酵母菌の力によって分解、アルコールに変化させたもので、代表的な醸造酒としては日本酒・ワイン・ビールなどが挙げられます。
そして、蒸留酒とは先に説明したように作られた醸造酒を「蒸留」、つまり一度熱して蒸発させてから冷却して液体に戻すという過程を経たものになります。
蒸留することによって、醸造酒よりもアルコール度数が高くなる傾向にあるため、蒸留酒は水などを加えてアルコール度数を下げて飲むという飲み方が一般的です。
ちなみに、今回本文に登場のない「混成酒」は、醸造酒もしくは蒸留酒に果実やハーブなどを混ぜた飲料のことを指しており、蒸留酒にコーヒーと香料などといったものを加えたカルーアなどが挙げられます。
チューハイとサワーはなぜ混同されてしまうのか、それには大きく2つの理由が挙げられます。
1つは、日本国内においてはサワーに炭酸水を入れることが多く、そのためにチューハイとの区別がつけにくくなっているという理由。
そして、もう1つの理由は、焼酎も厳密にはスピリッツに分類されるからだと言われています。
上記で紹介した2つの理由について詳しく見ていきましょう。
日本では、サワーに炭酸飲料を入れることが多いため、チューハイと混同されると言われています。
ここで、思い出していただきたいのがチューハイの特徴です。チューハイは、焼酎を炭酸で割ったもののことでしたよね。
本来、蒸留酒を柑橘系のジュースで割ったものをサワーと呼びますが、日本においては次第にサワーに炭酸水を加えることが多くなり、チューハイとの違いがわかりにくくなっていったのです。
また、先ほど紹介した緑茶ハイのように、炭酸水以外で焼酎を割ったものをチューハイと呼ぶケースもあり、そのためより一層チューハイとサワーとの混同が進んだと考えられています。
チューハイとサワーが混同される理由の2つ目は、焼酎も厳密にはスピリッツに分類されるからです。
日本の酒税法上では焼酎はスピリッツに分類されません。
しかし、海外では焼酎もスピリッツとみなすのが一般的です。
上記のような事情があり、チューハイとサワーを分けることが難しく、混同されるようになってしまったと言われています。
スピリッツは蒸留酒なので、ウイスキー・ブランデー・焼酎はスピリッツと言えますが、日本の酒税法に則ると、ウイスキー・ブランデー・連続式蒸留焼酎・単式蒸留焼酎はそれぞれ別の品目として扱われています。
そのため、蒸留酒であるウイスキー・ブランデー・焼酎の3種は、スピリッツに含まれていないのです。
どうしてこのような区分になったのかというと、日本のお酒事情が関係しています。
旧酒税法は1940年に作られましたが、その当時は厳密なお酒の分類が存在せず、日本を基準に分類が行われました。
「日本を基準に」とはどういうことかというと、日本にあった馴染みのある焼酎・日本酒から分類されていったということです。
それに続いて海外のお酒であるウイスキー・ワイン・ビールが分類され、その際にスピリッツやリキュールはその他のお酒に分類されたのだとか。
また、ウイスキー以外のブランデー類としてブランデーは区分されたのだそう。
こうして日本の酒税法に置いてウイスキー・ブランデー・スピリッツは別に分類されたと言われています。
このように、日本では製造方法以外の理由からも酒の種類が品目分けされていて、スピリッツで作るサワー、スピリッツと同じ蒸留酒なのに品目が違う焼酎で作るチューハイとなっていることも、チューハイとサワーが混同されやすい理由の1つとなっています。
現在、チューハイとサワーに明確な違いは無く、ほとんど混同して用いられているということを説明しましたが、関西ではチューハイ、関東ではサワーと呼ぶことが多い傾向にあるということがわかっています。
このように日本国内でサワー・チューハイの呼び方の傾向が異なる原因はというと、一説には、サワー誕生の歴史が深く関わっていると言われています。
戦後、日本で売られていた「安いがクセの強い焼酎」を飲みやすくする方法で焼酎の炭酸割りが流行しました。
その当時は、「焼酎ハイボール」という呼称の他に、「炭酎(たんちゅう)」「酎炭(ちゅうたん)」という名称で呼ばれていたそうです。
やがて焼酎ハイボールは東京の下町で「チューハイ」と呼ばれるようになり、その呼称は全国へ広がっていきました。
「チューハイ」が認知度を高める中で、東京の上目黒に店を構える「もつ焼き ばん」では現在も多くの日本人に親しまれる「レモンサワー」が誕生しました。
「もつ焼き ばん」の店主は、「炭酎(たんちゅう)」「酎炭(ちゅうたん)」といった呼称を変更し「さわやかサワー」と命名。
焼酎の炭酸割りにレモンを加えた「さわやかサワー」が提供開始されたのです。
「さわやかサワー」は東京で大流行し、名称が浸透したあとは省略されて「サワー」と呼ばれるようになったと言います。
その結果として、レモンサワーの発祥の地である東京を中心とする関東ではサワー派が多くなったという説があるのです。
なお、現在でも「もつ焼きばん」は都内に6店舗経営しています。
気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
【もつ焼き ばん 店舗情報】
もつ焼きばん 中目黒本店
電話:03-6452-3122
住所:東京都目黒区上目黒2-14-3
営業時間:11:30-翌日4:00
定休日:正月のみ休業
引用:店舗-【公式サイト】もつ焼きばん|中目黒、五反田、三軒茶屋
サワー発祥の店「もつ焼き ばん」を紹介しましたが、関東にサワー派が多い理由はそれだけなのでしょうか。
実は、他にも「ハイサワー」の販売エリアが関東中心だったからという原因が考えられます。
80年代に販売された「ハイサワー」は焼酎の割り材の1種です。このハイサワーはテレビCMの効果で人気を博しました。
しかし、ハイサワーを販売していた博水社は当時会社の規模が小さく、関東を中心に販売していたため関西での認知度がいまいち上がりませんでした。
そうした経緯から、関東ではサワー派が多く、関西ではチューハイ派が多いとも考えることができるのです。
参考:チューハイ?サワー?呼び名なぜ違う 商品名で東西差|日本経済新聞
チューハイは焼酎を炭酸で割ったもの、サワーはスピリッツを柑橘系のジュースなどで割ったものという元々の定義の違いはありましたが、日本では混同されて使用されている言葉であるということがわかりました。
また、関西にチューハイ派が多く、関東にサワー派が多いのにはレモンサワー流行の歴史が関わっていてとても興味深かったですね。
最後に紹介した「もつ焼き ばん」に足を運び、サワーの歴史を感じてみるのもいいかもしれませんね。
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